昼に近い朝、チョコレートでマカロンを包んだ夢のようなお菓子を食べながら、先送りにしていた冷蔵庫のペイントをしようと何となく思い立った。水色のアクリル絵の具の大きなチューブを水で溶いて、マスキングした冷蔵庫の前面に、布でざっと塗る。仕上げまで布でやるつもりだったけど、思いのほか難しいので、結局油彩セットの中の一番痛んでる筆を乱用することにして、海を描くような水平の大きなタッチでうめた。図書館と学校に行ってる間に乾いたので、さっき青のマニキュアで下に四つの花弁の花をいくつか描いて、上には今度白と銀色の雲を浮かべよう。さらば場違いピンクの冷蔵庫。
 学校ではイタリア語を今日は四課進む。一遍に13個も不規則動詞が覚えられるわけはないのだが、一日二つとか覚えたところで退屈すぎて三日目ぐらいに放り出すのは目に見えているのである。ヴィットーリオとロベルタは会った途端に恋に落ちたと思った途端兵役で離ればなれになってしまい、私は千くらいまで数えられるようになった。なんか楽しくって三百ちょっとまで数えてみた。