パリで研究生活を送る学生たちの間で誰からともなく耳にする魔法の言葉…「研究ってオトナの仕事だから」。夜半過ぎて進まなくなって気持ち沈んで駄目だこりゃと思ったら、冷蔵庫のビールの栓をシュポっとあれしたり棚の奥に秘蔵してあるリキュールをちょろっとあれしたりしちゃったらいいんじゃない?っていう意味らしい。たまには美酒の精に真理の神様との取りなしをお願いするというわけだ。
 でも、これって、誰も続きを言わないけど真相はこうだと思うのよね。
 やったことのある人ならわかると思うけど*1、夜中にアルコールが寄越す神様ってやつはろくなもんではない。確かに恐ろしいほどに気持ちよく書ける。疲労との合わせ技で、ほぼ忘我の境地でメロディーを叩き出し、すっかり満足してパソコンを閉じて眠るわけだ。翌朝、目が覚める。うきうきしながら文章を開くと、まあ、酷いもの、自分が書いたとは到底思えないような穴だらけぼこぼこな稚拙な文章が目に入るわけです。あ〜あ、しょうがない神様呼んじゃったものだ!あとはお日様の出ているうちにコツコツ書きなおすのみ。つまり、大人の秘密が役に立ったのと言えば、絶望を追い払うことくらい。時間は完全にロスするし、無意味に終わった半徹夜で体力は時空の隙間にもぎ取られる。というわけで、我らが同志、絶望とは、出来れば大人の魔法に頼らずに仲良くやる方法を考えましょう!というお話でした。

*1:私もこう書くくらいだからやったことは勿論あるのですが、最近滅法酒に弱くなって…いたりはしないが、この下に書いたようなな理由により最近は全然やってません。