昨日は京大オケの定期演奏会に行ってきた。何でも第180回記念公演で、気合の入った構成だそうな。音楽って、演奏する側と聴く側どっちのために書かれているんだろう。いい演奏であればあるほど、奏者に分けのわからぬ嫉妬を覚えてしまう。踊っているみたいで楽しそうなんだもの。
 メインの、リヒャルト・シュトラウスアルペンシンフォニー》は、出演していた妹からも、「生ではめったに聴けないかもよ」といわれた、大規模な構成の派手な曲だ。なんだか、映画音楽っぽい。それも、ファンタジーな道具立て。荒野と山々、不穏な空気、カタストロフ、息を呑む美しい光景、最後の苦しい行程やラスボス対戦、静寂。音楽のちゃんとした聴き方とか構成とかわからないので、いつも「一番おいしいとこ聞き逃したらどうしよう」とか「よさがわからなかったらどうしよ」とか心配しないでもないんだけど、今回は結構安心して奏者とか指揮者の動きを追いながら音楽に身を任せていられた。考えてみれば作曲家はちゃんとつぼを押さえて構成しているはず。交響曲ってのは、約束されたエクスタシーなのでは、と変に俗っぽく納得してしまう。
 実ははじめに盛り上がるところで、主題が「♪セブーン・セブーン・セブーン」とウルトラセブンに聞こえてしまって、しばらく笑いを堪えるのに死にそうだったんだけれど。