クレージュのピンクは酷使しすぎてキャスターが壊れてしまった。にも拘らず、19キロまで書類を詰め込んで引きずって帰ってきたのをさすがに不憫に思ったか、両親が新しいスーツケースを買って下さいました。大感謝。今度からは私を尾行させる時は、「似合わないお嬢さんみたいなベビーピンクの鞄を引きずってる女」でなく、「ピカピカの赤いトランクを振り回している女」とご指定を。尤もいつまでピカピカかは神のみぞ知る。
 さて明日の朝京都に向かい、上手くいけば一年弱はこちらには戻ってこないことになる。まあそんなものかな、とも思う。水分を若干含んだ空気がとても綺麗で、空が遠く澄み切っているので、街の果て、丘の上辺りをかなり長いこと自転車ドライブしてみた。どの道も、行き着く果てに山がある。夕日の沈んで幾らもたたない曖昧な色の中、丘に架かった大正橋をノーブレーキで下った。小さなバカンスにうってつけのフィナーレ。
 荷物を持つの手伝ってくれるというひとがあれば、それは素晴らしいことで、しっかり甘えちゃうけど、自分の行きたいところには、ひとりでもどんな重い荷物引きずっても行く。真っ赤なトランクなら元気のでる道連れになりそうだ。