トゥールから車で約一時間、Chinonの街で土曜に「Marche Mediavale中世の市」というお祭りがあり、ステイ先のファミリーに連れて行って頂いた。フランソワ・ラブレーがこの近くで生まれたそうで、ロワール河沿いに大きなブロンズ彫刻が座っている他、いたるところにラブレー、パンタグリュエル、イポクラットなどといった名前がついている。(トゥールにもフランソワ・ラブレー大学がある。)
 中世風(といってもかなり適当)のドレスを着た街の人々が、工芸品を売っていたり、古楽器を奏でながら輪になって踊ったり、街が小さいので規模も大きなものではないが、それだけに親密な雰囲気でよかった。豚の丸焼き。
 上の写真はシノン城からみたロワール河。レンズが曇ってるな。半ば崩れかけた城には一人で行ったが、修復工事の最中ですべて見ることは出来なかった。マダムたちと別れて初めて東洋人っぽい見かけの人間が自分しかいないのに気づいて、初めて本当に余所者になった心持ちがした。トゥールは、私たちの通っている語学学校もかなり大きな規模だし、大学もあるので、余所者とか学生とかに温かい、というか慣れているのだ。携帯買ったとこの店員のなんと辛抱強く優しかったこと!
 日曜は昼までゆっくり庭で宿題をして、夕方少しだけ友達と遊びにでた。昼間、かばんに放り込んで持ってきた江国香織(失礼、字がでない)の短編を読んで、若干打ちのめされて、日本語も使おうと考えを改める。フランス語ばっかりだと、フランス語で考えられることしか考えなくなって馬鹿になりそうだ。号泣する準備はできていた (新潮文庫)だってひどいでしょう?今日の私の文章。スペイン人みたいにフランス語を話すことはたぶん不可能だから、せめてよく考えるのだ。
 ステイ先が街から4キロほど離れているので、夜遊びの誘惑もない。おいしいご飯も出てくる。何不自由なく勉強に集中できるという、思いもよらない環境がある一ヶ月のうちにプチ変身を遂げるつもり。