今日を最後に本格的なクリスマス休みに入るということで、街中至る所で、つかの間の別れを告げる恋人やら、久しぶりに再会する家族やらによって『ラヴ・アクチュアリー』のヒースロー空港みたいな光景が展開されている。こちらの愛情表現はストレートだが観ていても素直で嫌な感じがしない。
 そこで本日は私が実地に学んだフランス式挨拶のルールを紹介します。
 そう、ほっぺたにちゅってする、あれだ。結構有名だけど、映画の中ならともかく本当に普段やってるとは想像し難いのでは…。私も信じてなかった。けど、オーヴェルニュでは忠実に実践されている。*1
 まず必ずする場合。友達と約束して出かけるとき、クラスメートに街中やトラムの中であった時、男の子同士は握手で済ますけど女の子同士・女の子と男の子の場合はサリュー、サヴァア?などと言い合いながらビズをする。つまり、軽く相手の腕に手を添えて右、左とほっぺをくっつけながら口でちゅって音を出す(正確には「ほっぺでちゅ」なのです)。デパートの中で家族同士がばったりあったりすると(小さい街なので度々起こる)、ちゃんと全員が相手の家族全員と握手なりビズなりで挨拶。留学生同士も、この場合はすることが多い。
 
 ただ、時間はかなり取るので、しないことに決まってるみたいな場合もある。例えば授業の前。あと、スーパーやフナック(本屋と家電屋が一緒になったチェーン店)の店員さんとお友達のときは、一応相手も仕事中なので立ち話はするけどビズはしないのが基本っぽい(小さい街なので店員と客が友達同士という状況もしばしば起こる)。ただ、学生の場合、図書館で友達とあったら必ずビズをすること。
 難しいのは、場合によるって場面が結構あること。例えば友達の友達と初めて会ったときとか、人に紹介されたとき。あるいは、その場である程度知り合った人と別れ際にするかとか、始めにしなかった人と別れ際にするかとか。精神的な距離を縮めるのにお役立ちなので、相手がその気なら手ふって終わるよりビズしといたほうがいい。ただタイミングが合わないと何か気まずい。ということで、東洋人としては、とりあえず溢れんばかりに友好的でオープンなオーラを出しとくことを心がけること、相手が動いたらすかさず動くこと、の二点が有効かなーと模索中です。

*1:地方によって差がある。トゥールでは最後日こそビズの応酬だったけどそれまではしなかったし街中で見たこともない。もっと南では右左右の三回とか四回とかもある。