妹と『巴里のアメリカ人』、我々はほぼ会話を止めることなく、絶え間なく突っ込みを入れながらこういうDVDを観る。するとあらすじを全然思い出せないことになり、作品はけちょんけちょんにされ、かつ褒め殺しの憂き目にあう。手作り感あふれる舞台のような演出で、バレエとタップダンスがジャズにのって、楽しい、綺麗、大好きー。昨日は四半世紀ほどさかのぼって『モロッコ』、マレーネ・ディートリッヒ扮するアミー・ジョリー(笑)の脚線美など、またもやあまり身になりそうにないお勉強。
 どちらもぐちゃぐちゃどろどろした複雑で面倒なシーンがなく、話は簡潔にすすみ、映像が目に楽しく人々が素敵なのが好ましい。陽気で単細胞で女好きな男子は場合によってはとても魅力的、とその場合とは、「格好いい人(ただし必ずしも美形というわけにあらず)であるとき」という、きわめて同語反復的な言い方になってしまうが。
 そういえば、暇にかまけてGoogleの写真共有のピカサとグーグルノートの便利さに目覚めた(たぶん大分遅い)。特に、ピカサは、何が何だか分からぬうちにパソコンの中をスキャンされて、あれれーっと思ったら普通に写真を見るときまで「デザイン性に優れた」感じになり、魔法みたいだ。サバイバルするには一つの手段に頼り過ぎてはいけないとは知りつつも、かゆいところに手の届くサービス(しかも画面がそこはかとなく格好いいのがいけない)にはついつい甘えてしまい、甘ったれた無力な私は、グーグルさまが世界征服をたくらむ悪の組織でないことを祈るのである。