風邪引いたり締切伸ばしたりした末に、11月に相成りました。11月といえば炉開き、だからというのでもないけれど、ここ二日というもの本格的に寒いので、電気ストーブを稼働させ、暖かいはおりものに、部屋着のフリースやらたんぜんやらを引っ張り出して俄かに家を心地よくする。キタアカリを主役に、薄切り肉とソーセージ、白菜人参玉葱の即席ポトフがとても美味しい。
木曜日だった男 一つの悪夢 (光文社古典新訳文庫)
 これを最近枕頭の書にしてたんだけど、思いのほか面白かった。世紀末のロンドン、無政府主義者を憎むあまり誰よりも無政府主義者じみた攻撃的な風貌の詩人が、スコットランドヤードの訓練を受けて洗練を纏い、無政府主義の本部に乗り込み七武海みたいなのに抜擢されつつボスの野望を阻止しようと暗躍する。。。というとどんなハードボイルドみたいだが、自嘲的な妙な冷静さが混じった緊迫感とそれが溶けるときのクマのプーなほのぼの感は、なかなかない味わいながらとても慣れ親しんだものも見分けられる。あ、イギリスってやっぱりいいなーと思う。最後はなにやら壮大なアレゴリーが展開されてめまいがしますけれど。