昨日からいきなり涼しい。窓を閉めてクーラーも切ると、世界はこんなにも静かで居心地の良いものかと感動しながら論文を読む。
 やっと気持ちに区切りがついて、私はパリに行くのだ、と実感できるようになった。考えてみたら、もうなんだかすっかり私の街の気分だけどパリに自分で生活基盤を整えて暮らそうというのは初めての試み。思えば二十歳になった春に初めて訪れて以来憧れを募らせ、クレルモンにいたころには恋心に近いものさえ抱いていた場所。原色のぶつかり合ってできる憂鬱な灰色。私の貪欲さに火をつける、尽きせぬ資料と創造の痕跡。
 今回ちょっと学生とは違う行き方で行くので、ちゃんとできたら改めて処々の手続き含めてご報告します。きっと誰かにお役に立つに違いない。しかし最大の難関がこれからなので、決まったら、ということで。
 目標としては、地の利を生かして貪欲に面白い研究をすることがまず第一。そして、郷に入っては郷に従えと申しますように、フランス生活も楽しむ。例えば具体的には、今度こそアルプスでスキーを一度はすること、あと、お気に入りワインを沢山見つけること。他色々、内緒♪