しゅぴーん、にゅるーん、たこたこたこたこ!

 インパクトのある鉄格子、こちらは海洋研究所の門扉です。
 引っ越してきた先は何しろ文京区のど真ん中。泣く子も黙る名門リセのルイ・ルグラン校とアンリ四世校、パリ大学ソルボンヌたちや高等師範学校、そして怪しげな研究所*1の数々が並びたち、ぼーっとしたまま通りに降りていくと若者の群れに人見知りすることしばしばである。通りに出ると賑やかな一方で、建物の中が驚くほど静かなのもこの辺り一帯の特徴なのだろうか。以前、夏の暑い盛りにパンテオンの真横にあるソルボンヌ共通の図書館に入って、時間が止まったかのような静寂に感激したことがあるが、私の新しい屋根裏部屋も恐ろしく静かだ。窓など閉めようものなら本気で隠遁生活が出来そう。外に出れば日が変わっても飲んでしゃべってる学生たち、観光客たち、歩いていける映画館に公園。とまあこんな感じなんで落ち着いて勉強しますよー。
 そうそう、今日壊れたシャワーを修理に来てくれたポンピエさんの道具入れが素敵だった。年季が入った柿色の皮製で、もとはカチカチに固かったのが道具に合わせて少しずつ丸みを帯びたような感じで。すっかり感化されて自分のバッグとブーツのお手入れなど。バッグは売り子さんの言葉を信じて襤褸切れにニベアをちょっとつけて拭くだけ。ここ数日の寒さと霧雨でかさついていた表面につやが戻る。ニベアはやっぱり偉大だ。

*1:中でも森見登美彦ファン的に気になるのはInstitut du Seinですが意味は自分で調べてね。