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妹の部屋で発見した掘り出し物の一つ、漫画『花のズボラ飯』!
- 作者: 久住昌之,水沢悦子
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2010/12/20
- メディア: コミック
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花のコメントに説得力があるのは勿論、味を想像してみただけで、んー幸せ♪な気分になるような一品プラスそのアレンジ(おかわり)がずらずらと出てくる。
ところでこの料理たち、(1)一人暮らしで(2)家事以外にもやりたいことが沢山あって忙しいけど(3)美味しいもの大好き!だし台所に立つのも好き!な女子*1なら、近いものに心当たりがある人が結構いるんじゃないかなーと思う。一人で食べるために作るときに一汁三菜の定食を作る必要はない。お腹がすごく空いているときもあるけど、そうでも無くて軽く済ませたい時もあるし、がっつり肉を食べたいときもあるけど、なんなら買ったばかりの小説とか借りてきたDVDとかを愉しむお供に簡単なものがあれば十分なときもある。でも大事なのはそれが美味しいこと。だから、調理法がシンプルな分、素材・調味料・そしてとくに薬味にこだわる。
なんて見てると、有元葉子さんの一人ぐらしレシピのコンセプトともちょっと似てるようにも思う。炯眼なる母上*2が、初めて親元を離れ一人暮らしを始める私にプレゼントしてくれたこの本『もっとシンプルに本格ごはん ひとりぶん』には、「あさりさえあれば」とか「カレー粉さえあれば」といって少量でもちゃんとした美味しいご飯を作るのに便利な食材とその様々な利用法を紹介していたり、時間がかからないけどお洒落にみえるワンプレートとか、余った食材を次の日楽に美味しく使える保存の仕方とかが載っており、なにより私は「そんなに頑張らなくても食べたいもの作ればいいんじゃん!」と随分気が楽になったものである。(昔我が家に遊びに来た友達が軽く見て「目玉焼きのっけご飯」なる「料理」が載っているのをみて仰天していた!)
ちなみにこちら、『時間をかけない本格ごはん ひとりぶん』の続編になっていて、『時間をかけない…』の方は、トマトスープを次の日パスタソースにしたりカレーにしたり、みたいな裏技が沢山載っている。
『花』に戻るけど、勿論、たまには時間をかけて手の込んだものを複数品作ってゆっくり食べたいし、ちょっと値の張る食材にもチャレンジしたい。そんな時は折角だから誰かと…というわけで、一人暮らしが長くなると毒味係を呼び寄せての晩餐を度々開いてしまうわけですが、この漫画は、普段単身赴任中で清々しいまでに不在の夫、ゴロさんが都合よく帰ってくるという点でも完璧なのである。
ちなみに花の言動、とくにダジャレに度々フレンチなものへの憧れが見える点で(このフランスは地理的概念でも政治的概念でもない…つまり現実に存在しているあの国のことではない)我らが長年のバイブル、森茉莉の『貧乏サヴァラン』も髣髴とさせるかも。
彼女は、乙女料理好き、つまり、お財布と冷蔵庫と栄養素のバランスを取りながら忙しい中テキパキと家の人間達に食べさせる料理を作り続ける『作ってあげたい彼ごはん』から『ごちそうさまが聞きたくて』みたいなのんとは全く違った、でも美味しいもの大好きで探究心を忘れぬ料理好きの系譜の原点だと思う。
書いてるうちに気付いたのだが、私日本の最近の料理本を全然知らないのよね。リサーチの必要があるなー。