兵庫県美で明日から開かれるhttp://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/t_0610/main.htmlの内覧会にいってきた。始めは、あまりに人が多いので約束が違うぞーと思ったが、観ているうちに作品を独り占めできるくらいに。作品数がそれほど多くないので、ゆっくり観て、コーヒーと果物をいただいて、お洒落した人々を眺めて、陽の傾きかけた海を想像したりして楽しめた。

 趣旨を凄く乱暴にまとめると、プリミティヴィスムとノスタルジーというテーマのもと、それぞれ独特なエコール・ド・パリの面々を先駆者としてのアンリ・ルソーアンドレ・ドランと共に、いくつかの視点から結びつけて展示するというものである。作家ごとの見方とは違った魅力が発見できるし、エコール・ド・パリをバラバラじゃなくまとまりで捉えることが出来て面白い。モディリアーニ、スーティンの有名な作品が間近で観られる。ただ、シャガールは一点のみ、注意。
 個人的には、ザッキンの彫刻に惹かれた。量感とか、面と曲面のつながり具合が腑に落ちる。ピカソの絵を模写、といっても紙に鉛筆で適当に写しただけだけど、した時に、そのまとまり、無駄のなさにはっとしたことを思い出したりする。キュビズムとかアフリカ彫刻の影響を濃厚に受けているらしい。あと、ゴシック主義、という一節。時間が出来たら一次大戦後の古典回帰の動きは調べてみたい。一部でキャプションにピカソとかセザンヌとか、居ない人が結構登場してくるので、乏しい経験を総動員して、頭の中でかなり参照しながら見ていた。これはあまりお勧めできない。ともすれば実際に目にしていたのが影ばかりだったような気分になる。