三歩めにそっと歯を叩く。ロ。リー。タ。

ロリータ (新潮文庫)

ロリータ (新潮文庫)

今冬の私限定課題図書ご飯が炊き上がる一寸前に読了!表紙のデザインもすてきな三冊15%オフの文庫は暇つぶしに飼い殺しに収まりきらぬとんだ曲者である。密かに尊敬する若島先生の翻訳で、丁寧に罠の張り巡らされた日本語の世界を遊ぶ。寝不足のち吐き気のちにんまり乃至爆笑。
 「ナボコフを読むことは出来ない。再読することが出来るのみである。」だそうで、読んでる間からじゅうぶん引き込まれて、そんなのがあるならどんどん違う人が交替で監督する映画を見ているようだったが、私如きの頭には最終的にぴたりと来ない謎を解きに、そしてざくざくと掘り出せそうな言葉あそびや皮肉を味わいに、親切な巻末注を理解しに、ちょくちょく再読の憂き目にあいそう。
 差しあたっては、「マキナ・テレフォニカ」をフィクション作りの用語に認定しましょうよ。機械仕掛けの神デウス・エクス・マキナの妹分で、作者にとって都合のよいときに鳴る電話のこと。あるある!というか、使った(笑)!現実でも・・。