本のとびら

ばたばたしている時は却って小説をよく読む。夏に導入した無印良品の厚ぼったい座布団のお蔭で就眠儀式の本読みはとても具合がよろしい。佐藤亜紀は読んでるとくらくらしてきて頭が冴えて眠れないことも多々あるのだけど。それにしても、何回も読んでるのに…

思ったことを口に出すな。 またとっぴな考えを軽々しく行動に移してはならぬ。 人に親しむはよし、だがなれなれしくはするな。 語るに足る友と見きわめをつけたら、 たとえ鉄のたがで縛りつけてもはなすでない、 だが羽根もそろわぬヒヨコのような仲間と だ…

経済とかの方のミリオンセラーの翻訳であるらしい。この著者の対談が、去年秋ごろのクーリエ・ジャポンに訳されてて面白そうなおじさんだと思ったので。想定外のものごとは、想定外であるがゆえに人間が無視しようとするものだけど、想定外であるがゆえに規…

パンツの面目ふんどしの沽券 (ちくま文庫)作者: 米原万里出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/04/09メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 25回この商品を含むブログ (35件) を見る 計画経済下のソ連のパンツ生産(というより非生産、というべきですか、かく…

『1Q84』昨日一巻、今日で二巻目を読了してしまった。二巻は、家族で滝川にドライブして芝桜をみて帰ってきて、宮脇書店で買おうとしたら売り切れていて、夕方富貴堂で最後の一冊になっていたのを買うことが出来た。売り切れそうになるしか仕入れないの…

図書館に行こうとしたら月末でしまっていたので、時間つぶしに本屋さんで本を買って、タリーズでコーヒー飲む。 村上春樹の新刊を、つい買ってしまった。村上春樹の新刊なら私が買わずともたくさんの人々が買うだろうし、私が読まずとも誰か読みそうなのだけ…

四月の終らないうちに読んだものなど。 『ジョジョの奇妙な冒険』を三部まで。中学校二年生の時にこれを知らなくて男子に馬鹿にされて挑んだところ、当時この種の絵に耐性がなかって敢え無くリタイヤしていたマンガ。改めて借りて読んでみると、今まで読まず…

あなたの…、あなたの鼻は、そのぅ、とても、大きいですね。―とても、と。―ええ!―それだけですか? 「その鼻の上を歩いて川を渡れるわね」(なにしろ鼻梁は幅も広いのだ) 祖父の鼻のことをもう少し。鼻孔はダンサーのスカートのような曲線美を描いて裾を開…

ひさしぶりもいいとこなもんだから、アマゾンの紹介が機能してくれないのだが、趣向を変えてアニリール・セルカンの『宇宙エレベーター』を読んでいた。 せせこましいロジックで競い合ってメタレベルを持ち出す遥か向こうであると同時に今ここで、宇宙はぼよ…

雲雀 (文春文庫)作者: 佐藤亜紀出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/05/10メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 17回この商品を含むブログ (33件) を見る 文庫を見つけたので買って再読。綺麗でぞくぞくします。切り取られる場面も、文章も、出てくる若者も…

巨匠とマルガリータ (上) (群像社ライブラリー (8))作者: ミハイル・ブルガーコフ,法木綾子出版社/メーカー: 群像社発売日: 2000/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 23回この商品を含むブログ (19件) を見る 小説を読む暇はないことになってるんだけど…

「いくらページをめくっても、登美彦氏登美彦氏登美彦氏登美彦氏登美彦氏・・・出てくるのは登美彦氏ばかりである。そんなふうに出しゃばってきて、何をするのかと思えば竹を刈る。『そうか竹を刈るのかそれでどうする?』と思って油断していると、本当に竹…

とても硬いのにしなやかで、水晶のようでありながら流れるようで、動くたびに絹は羽根のように色合いを変え、孔雀のように緑から青へ、それからまた黒へと変わった。彼女は腕を持ちあげて、たっぷりした袖を下へ垂らして大きな翼のように広げ、そのまま手を…

マルグリットのユルスナールの方のoeuvre au noir、邦題『黒の過程』というのに挑戦しようかと思っている。本当はあれだけ感心しておいて途中までしか翻訳で読んでいないハドリアヌス帝にしようかと思ったのだけど、先生は「難しいよ」っていうので。聞くと…

さて、これ、なーんだ?MASCULIN, BEAU ET INTELLIGENT。はい、お洒落男性誌のコピーである。 GQ(Gentlemen's Quarterly)というのが創刊号で一ユーロだったので買ってみちゃったのです。日本で男性向けの雑誌を研究対象にしたことがなかったが新しい境地に挑…

ミラン・クンデラの『Identité(邦題:ほんとうの私)』だったと思う。最初の方で、主人公が、街ですれ違う男がことごとく女連れ、だけならともかくベビーカーを押しているのを見ているうちに絶望的な気分になるという一節があった。妄想の中で紆余曲折を経て…

本じゃないけど、最近壮絶な記事が読める。http://blog.moura.jp/courrier_koga/

自分の考えてること、やりたいこと、計画などをどんどん周りの人に言ってしまうこと。考えているだけで終わらせないための第一歩でもあるし、思わぬ助言がもらえることもある。なんて、日本では無意識にやってたことだけど。ドイツ周遊のプロジェクトを話し…

一次大戦終結の日、France inter ではサルコ爺が演説しとった。あと近いうちに大学の改革反対ストが起きるらしい。先生が授業しないのかと思ったら生徒がサボるんだって。よくわかんないなー、授業料払ってるのはこっちじゃん。学生が授業に来ないと爺は困る…

嗚呼、なんと言うことでしょう! 2007-09-20 ↑森見登美彦さんの新作である。今日気づいた。してなんと魅力的な人物紹介。ここまでタダで見ちゃっていいのかしら。 こんなの読んだら京都が恋しくて死にそうになるに違いない。ユーラシアの果てで雨の日にも髪…

化け物みたいな夕焼けだった。引きずり込まれそう。見ましたか? 『ゲドを読む』に触発されて『ゲド戦記』シリーズ翻訳を読み返している。 ちいさな頃には考えなかったことも色々考えたり、ちょっと理解できたり共感したり、だからこそ語りすぎでうるさく感…

岩波講座『文学』の6巻「虚構の愉しみ」のなかで、清水真砂子さんが児童文学について書いたものがあったのを思い出す。エンデの『モモ』とル・グィンの『ゲド戦記』を比較したエッセイである。 それによると、『モモ』は寓話であって物語ではない。懇切丁寧…

ほーこれが所謂二日酔いという奴ね。 と思うのが今年に入って軽く三回目くらいになるだろうか。立派な駄目人間になれそうだ。人間の体重の約70%が水分と聞いた覚えがあるが、今朝は本当に自分の体が水を一杯汲んだバケツになっているのを実感した。少し動く…

買い物に行ったら妙に疲れてしまった。ユルスナールの靴 (河出文庫)作者: 須賀敦子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1998/10/01メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 29回この商品を含むブログ (38件) を見る経由でハドリアヌス帝の回想 (ユルスナール・…

昨日は一日フル稼働していたので、今日はのんびり。とはいっても、明日投函したい資料が出来上がっていない。冬物も仕舞いたい。日常にもどってしばらくは決まってばたばたするのだ。人喰い鬼のお愉しみ (白水Uブックス―海外小説の誘惑)作者: ダニエルペナッ…

実家では、相変わらず水槽の魚のように無為に、作って食べて寝て本を読んでいた。 ちょうど市のジュニアジャズに招聘されてきたモンゴルの音楽学校の生徒さんが何日かステイしていたので、図々しくもリハーサルに潜って聞いてきた。馬頭琴は胡弓よりかすれた…

たまにルネ(大学生協の本屋さん)もぶらぶらしてみるもんだ。風神秘抄作者: 荻原規子出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2005/05/21メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 30回この商品を含むブログ (100件) を見る荻原規子さんの作品を発見した。勾玉三部作…

ロング・グッドバイ作者: レイモンド・チャンドラー,村上春樹出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/03/08メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 100回この商品を含むブログ (280件) を見る 本日はタイトルもハードボイルドに。アマゾンでは近日発売だそうだ…

夢を見ている男たちを揺り起こそうとする夢を見ている男たちをめざめさせる夢を見ているのだ ・・小さな子供が山を駆け上がっている。早くみんなに追いつかなきゃ。尖って折れた笹の枝が行く手を塞ぐ。のどが渇いた。リュックサックを取りに帰っていたら水筒…

昨日載せられなかった写真。金沢ではこんな美味しいものも頂いた。 二年前にも旅した金沢という街には、なにか愛着がある。桃色と黄緑の晴れやかな友禅、舌の上でそっと溶かす長生殿。犀星に鏡花・・。父が大学時代を過ごした街というので色々聞かされて想像…