ひさしぶりもいいとこなもんだから、アマゾンの紹介が機能してくれないのだが、趣向を変えてアニリール・セルカンの『宇宙エレベーター』を読んでいた。
 せせこましいロジックで競い合ってメタレベルを持ち出す遥か向こうであると同時に今ここで、宇宙はぼよよんと膨らんだり縮んだりしているらしい。アメリカの新しい指導者がアメリカだけでなく全世界をchangeしようと頑張ってるなんてのは、案外ちっちゃなことかもしれない。
 自分が何をすればいいどうすればいいどこへ行けばいいと、考えてばかりいたら、てっきり今立ってる地面は止まっててはっきりと確かなもののように勘違いしてしまう。地面は動いてるしその中は煮え立ってるし、その向こうには逆さまの地面があるし、それ自体何の上にあるのではなく浮いてるんだし、浮いてる空間だってなにやらうねうねしているらしい。そんな適当な素晴らしい世界で、たとえば私が性悪で小器用で綿密に計画を立てた上で上手に本気ですっぽかすことによって最大の効果を得る一方たまに反省の色を見せるかと思えば本心から善良な時もありいけしゃあしゃあと嘘を書くがその半分は事実で口下手なのに時に有頂天でとめどなくしゃべり好奇心旺盛な怠け者で八方美人と天の邪鬼を独自の法則で使い分け食欲がないからなどとのたまいながら饅頭を食っているとしても、大目にみてはくださらないかしらね?
 キャンパスの南の方では楓のでかい種類のがもう色づいている。ボリューミィでゆったりした空気。ひつじの群れ。それにしても今日頂いた唐揚げは胸肉なのにこの柔らかさときたら!次回バイトの時にコツを聞いてみなくては。