『1Q84』昨日一巻、今日で二巻目を読了してしまった。二巻は、家族で滝川にドライブして芝桜をみて帰ってきて、宮脇書店で買おうとしたら売り切れていて、夕方富貴堂で最後の一冊になっていたのを買うことが出来た。売り切れそうになるしか仕入れないのも、実際売り切れているのも不思議だ。
1Q84(BOOK2(7月ー9月)) [ 村上春樹 ]
 村上春樹の何に不満があるって、あんな長い(そしてしばしば重い)のをすらすらと読まされてしまうことだ。それこそ、休む暇もなく、徹夜さえせずに。それでいて、展開される出来事は決して読む端から蒸発してくれることはなく、明らかに日常に無関係なへんてこりんな光景は、まぎれもなく私たち自身の共有する不安である。ある物語の中に生まれついてしまった、また途中から放り出されて別の物語に組み込まれてしまう登場人物にとって、立ち向かう勇気はあっても、流れに抵抗するために許された方法はほんのわずかしかない。残るのは、大きな不安、わけのわからない不気味さ、それから、わずかに希望のようなもの。あるいは。そんな感じのことを、新たに発見するというよりは、自分の中にすでにあったのがページをめくる力によって、「取り出され」たような、気分になる。すらすら読まされて、こんな気分になってしまうのだから、たまったものではないのだ。