三日月ロックスピッツの『三日月ロック』。空っぽを満たすように、大好きな一枚を大音量で流し込んだ。音楽は水。うすい藍色はいつも細胞のひとつひとつを通過して洗い清めてくれた。自転車で夜を駆ける昂揚。ローテクなロマンティカ、きいろく褪せた午前の光。眠らないで海に行こう。旅の途中に、雲間から象徴的なひかりが降りてくる。遥か・・。

 
 大切にしていた眩しすぎる音をそのまま葬りたい気持ちごと抱えていく。嘘偽りも虚栄も分かちがたく結びついた過去が事実でも夢でも幻でも。ふたたびとびきりの一枚が見出せるかは知れないけれど、良い耳があればきっと楽しいはずだ。