『美術史学会全国大会』参加のため、週末は九州は福岡におりました。
 ほとんど準備も下調べもせずに乗り込んだのに(自分でしたことといえば帰りのバスの手配くらい)、道連れに恵まれ非常に充実した楽しい旅が出来た。ホークスのTシャツを纏った汗まみれ・飲み会帰りのおじさんたちと相席で長浜ラーメンを食べるという貴重な経験もあった。なにより、京大の研究室では圧倒的にマイナーな西洋美術を志す全国の見目麗しくいかにも優秀な男女どもと時を共にし、日頃マイノリティであることに甘えて切磋琢磨を怠ってきたことを反省すると共に、研究へのモチベーションを高めることが出来たのは素晴らしい収穫。何度か参加すると、発表→質疑ゲームの面白さも分かってきた。尤も、最終日に残れず、西洋近代の発表と研究室の先輩の発表を聞けなかったのは心残り。

 雨が酷かったので、初日午前にアジア美術館(http://faam.city.fukuoka.jp/home.html)でインドの近現代絵画とアジアの美人画のコレクション展を観た。今まで興味を持っていなかったのは勿体無い!新鮮な具象画。美人画は、各国で「色っぽい」感覚って違うものなんだなあ、と改めて感じる。例えば、チャイナドレスやアオザイに欠かすことの出来ない(とおもう)白くもちっと(むしろむちっと)した二の腕は、日本の匂い立つような着物美人には必要ないものだ。
学会の会場にもなっていた九州国立博物館九州国立博物館:トップページ)、瓦屋根を長いエスカレーターで潜り抜けると、生き物のような曲線が周囲の山並みを映し出している。木を沢山使ったドームがそのまま見えるメインロビーはすこんと抜けた空間がとっても気持ちいい。高いところ好きにはたまらない長エスカレーターをさらに上がって、常設展(交流展)へ。こちらも、アジアとの交流の歴史に力が入れられている。暗く落とされた照明と自由な間取りは、資料・作品と出会うわくわく感を盛り上げる。アジア美術館もだけど、体験型の施設が充実しており、気持ちよく休憩できる場所も多くて、小さい頃からこういうところにちょくちょく連れてきてもらえる子は幸せだなあとつくづく思う。