突然ですが、部屋に来客がいる。
とくとご覧あれ、全長約三センチ、蜂である。律儀に一番目立つ天井の真ん中に張り付いて足を踏ん張っている。幸いにも動く気配はないが、時折、足場を確かめるように、六本の足をかわるがわる壁紙にこすり付ける。
 すぐに携帯で撮影を試みたが、寄れないので上手くいかない。デジカメでも、薄暗い中(フラッシュを焚けと?ご冗談を!)、手持ち・ズームでピントを合わせるにはかなり苦労した。
 撮影後40分が経過した。相変わらず彼は持ち場を離れず、私も彼の身に少しでも変化があれば逃すまいと、注意を逸らさずにいる。シャワーを浴びに行くこともままならない緊迫した状況である。親と電話しているうちに1時間経過。依然として有力な解決策は浮かばず、冷戦は続いている。