これは、先週シャンボール城を訪れた折に通りかかったブロワ城。何世紀にも渡って増築改築を重ねたために(14世紀から18世紀までとかだった)多様な様式が絡み合い、手に負えないほど複雑だと先生はいう。学院には建築史の先生がおり、学校の遠足の時にお城の解説をしてくださるほか、週一回トゥールの市街をめぐるプチツアーもある。可愛らしいおじさん先生で、話がとても上手なので、つい聞き入ってわかったつもりになってしまう。素敵だ。右はトゥールの聖ガシアン大聖堂を奥(内陣側・外)から見た図。空があまりに綺麗だったので撮ってしまったのだが、外に張り出した二段のアーチも整然としていてとても美しい。内陣の再建は主に13世紀に行われた。すでにパリのノートルダムやシャルトルの大聖堂の建設が始まっていたころであり、その教訓がうまく生かされているため、強度を保ちながら最大限に開いた窓から光が差し、プランはシンプルな繰り返しを基盤としており、合理的で、美しい。それが、15世紀に今の形になったファサードになると、左右対称と見せかけて何一つ左右対称なところのない、非常にわかりにくい装飾がこれでもかと張り付いている。右に丸い窓が在れば、左は四角、時に欄干をつけ忘れ、塔が変なところから生えてきたり、高さが微妙にちがったりする。面白い。何が彼女をそうさせたのか?であります。シャンボール城、写真がないのが残念なんだけど、(聖堂の正面もシャンボールも写真がないのは工事をしているから…)肩から下は極めてシンプルで清澄なお城なのに、頭ににょきにょきこれでもかと生やしちゃったのはなんなんだー?
 今はそんなことに興味をおぼえている。
ついでに、『キャラメル』の公式サイトのリンクを張っておく。http://www.caramel-lefilm.com/