昨日は聖母被昇天のお祭りで学校がお休みだった。雨も降っていたのでこれは已む無し、映画。
 半ば仕方なくだったし、そんな人々で映画館は溢れていたのだけどこれが、良かった。『キャラメル』というの、トゥールでは昨日封切り。監督はNadine Rabakiといって、ヒロインの一人としても出演している。アイシャドウというのは彼女の為にあるのだろう。彫りの深い美人。舞台はおそらく北アフリカカトリックの地域で、フランス語が時々混じるが大体アラビアの方面の柔らかい響きの言葉が聞こえた。キャラメルは、ムダ毛または毛穴のお手入れの為にサロンで使われていて(本当にキャラメルなんだろうか)とにかく熱いのを肌に塗りつけてべりっと剥がすのだから観てるだけで痛い。ヘアサロンで働いている四人の女性とその家族や周りの人々をめぐっての、たまにほろっとさせる恋愛群像劇である。少しエスニックな燻しの入ったビビッドな色使いと、印象的な光。結婚式前夜に親戚中の女たちが集まって歌いながら衣装ダンスから一張羅の着物や取って置きのランジェリーを出しては広げ、かたや独身の女友達は仕事場のサロンで自分磨きに余念がない。わかるわ。
 他、お城に遠足に行ったり、鍋一杯のムール貝とビール片手に格闘したり、夜の旧市街を散歩したり、なかなかおいしいケバブに出会えなかったり、美術館に若干がっかりしたり、ロワール岸辺でピクニックしたり、聞き取りテストに惨敗したり。まあ、わるくない。