日曜、留学生向けのイベントを企画している団体の会長さん宅にお呼ばれして昼食をご馳走になる。同じく呼ばれていた学生共々ウサギの焼いたのなどを食べた。ロータリー様様のおかげで、食事作法は二年いた中国人よりずっと巧いのだ。あとから恨みがましく「お前食べすぎ」と指導されてしまった。
 高校出てすぐ渡仏、オーケストラに所属して個人指導を受けつつパリの音楽院(コンセルヴァトワール、のだめのいたとこ。)を目指してるという子に出会った。フランス人と付き合ってたり働いてたりでフランス人並みに話す中国人留学生は少なくないが、こんなに語彙レヴェルでも発音でも綺麗なちゃんとした言葉を話す子は初めて。耳が違うなー。あと周りの人間も。今年で二年目で、ベルナール(会長)のところに息子同然に出入りしてるそうな。会話ではこちらは言葉でかなわないのを知識で補うことになる。「じゃあ、あと何年かしたら、ここにいる中で、芸術家が二人、一人が原子力技師で一人が医者になって赤十字で働くんだね。」と医学部志望のフランス人の高校生。いくら訂正しても私を「芸術家」に括る単純さ含めてなんだか未来ある若者たちがまぶしかったわ。やっぱり一年は、短い。ここに何年か留まって勉強する覚悟を決めている子に会うと、自分が正規過程にいながらクラスの子にいつも何かかにか尋ねてばかりで張り合えてないことが悔しくて、お客さんでなくて、本気でここで同じ場所で勝負してみたかったと思う。