ちなみに、観てきたのはこんな作品。イーゼンハイムの祭壇画とそれにかかわるデッサンや同時代の作品。

 エジプトの砂漠にて禁欲的な修行に励んでいた聖アントニウスが、様々な妄想や病気の悪魔の誘惑を受ける場面。イーゼンハイムの祭壇画は、巨大な仕掛け絵本のように扉を開くたびに絵が現れる構成になっていたそうだが、今はそれが大きな礼拝堂に最初の扉、次、また次、と縦に並んでいる。色彩が鮮やか、というか暗いのもあるんだけど力強くて、描きこまれた細部は見るほどに面白い。キリストの磔刑は、映像始め刺激的なイメージに慣れた現代っ子のワタクシでも、生で実物大で見ると鳥肌を抑えるために深呼吸が必要なくらい、ショッキングである。
 わりと綺麗な画像が見られるのでリンクを張っておきます。ウェブギャラリーオブアート(Web Gallery of Art, searchable fine arts image database下のartistのGを選んで、4ページ目に、Grünewald,Matthias、The Isenheim Altarpieceをクリック)ヒンデミットを聴きながらの鑑賞がお勧めされている。そういえば、オーディオガイドもミサ曲つきの凝った作りだった。