昨日の夜は、ロータリーの最後の会合に参加した。役員交代がメインで招待者が多く、いつものホテルではなくクレルモンの隣にあるリオン(Riom)というこじんまりした美しい町のレストランを借り切って行われた。水曜から天気は申し分なく、女性たちは一気に、花柄のジャケットにアコーディオンプリーツのワンピース、明るい色の麻のパンツスーツ、といった華やかな夏の装いをしている。カクテルは庭で。

 室内は淡いクリーム色に統一されていて、各テーブルにピンクのバラの花をいくつも浮かべた大きなグラスが色を添える、とっても可愛らしい乙女なレストランである。この地方の名物を意識した田舎風・百姓風の料理が、彩りよく、そこはかとなく洗練された盛り付けで供される。クリームは多用するけど軽くて繊細。多分ソラマメと多分海老のエキスの二種類の冷たいクリームスープのアミューズ・ブーシュ(直訳;お口の楽しみ→料理の始まる前に出されるちょっと一口)鴨の田舎風テリーヌに柑橘類を甘く煮たのを添えた前菜に、ホロホロチョウにフォアグラのクリームを添えたもの(絶品!)。

 シェーヴル、オーヴェルニュのブルーチーズ、そしていわずと知れたサネクターという、地方のチーズ盛り合わせとサラダ。サラダはフォークとパン、チーズはナイフとパンで頂くと、育ちのよい感じになるらしいこともクレルモンで教わったのでした。デザートは若干凍り過ぎのりんごのシャーベットに多分カルバドスをかけたもの、りんごのコンポート、栗のムース。なんか秋っぽいような…。もう一つおまけに細かく刻んだフルーツのマチェドニア。この盛り付けはいつか真似したい!
 ロータリーの会合には、月一回ペースでのこのこ参上しては、講演を聴き、美味しいものを頂きつつ、フランス人の美味しいものの召し上がり方とか、食事とその前後の社交のあり方を観察したものだが、これも今回が最後、と言うことで、お礼のちょっとしたスピーチをさせてもらった。レポートを書くはずの時間を使って頭を捻った作戦は見事成功して、笑いと拍手喝采と、ついでにオーヴェルニュの田舎の写真集を頂きました。