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 フランスの、ニュースばかり流しているチャンネルの、サイト。さっきからル・クレジオばっかり。ノーベル賞を取ったそうだ*1。なんだか最近の出来事につながる符号のようなものがずらずらと出てくる。
 昨日、美学会プレ発表で、日本の1950年代リアリズム絵画が吸収したもののひとつとして、メキシコの壁画運動があることをきいた。フリーダ・カーロはよく見るけれど、彼女の、まだ事故に会う前の小さい身体に挑むような目をした女の子であったその視線の先に、壁画運動の首謀者であるマッチョで男なディエゴ・リベラがいたことは、ル・クレジオの『ディエゴとフリーダ』で知ったのだった。『偶然』は、たぶん大学入る前くらい、まともに本の読めないうちに読んだ。フランス語で偶然を意味するアザールという音が、どこかではオレンジ色の幻の花を指すのだというのが妙に印象に残っている。今となっては、昨日また見てた『パイレーツ・オブ・カリビアン3』が混ざって、痩せた小さな女の子と、しわくちゃの肌の海賊が、ブラックパールよりは小さく水ぼらしい漁船²²Hasardに乗って、何故か砂丘を越えてくるイメージ。

ディエゴとフリーダ

ディエゴとフリーダ

 話変わりますが、外国語学習というのは、基本的に報われない努力の塊のように思える。勉強するのは楽じゃないし、なにより、ちょっと素敵だったり優しかったり逆に腹が立ったりするような相手に対し思っていることの半分以下を幼児なみの表現で垂れ流し続ける自分に、かなり長い間耐えなければならない。それでも、こうしてフランス語のニュース聞いたり本を読んだりするときに、確かに別のもう一つの世界に足を踏み入れているという解放感は他では得がたいもので、たぶんこの感覚が好きだから私は何とか勉強してるんだろなと思う。

*1:内田樹のブログ読んでたらすっかり村上春樹がとるものなんだと信じ込んでしまったのだけど。そんなわけで何となく更新を待ってるんだけど、まだみたいですねえ、10日深夜追記