美学会、西洋近代美術くらいはと思って今日の午後の分会に乗り込んだ。なんでこんな建物が同志社にあるの?という建物。赤煉瓦の荘重なホールに潜ることを期待してたのにがっかり。人数少なかったのもあり、私服は本格的に浮いた。
 まとまっていなかったり興味が特異だったりが続いてすっきりしなかったが、エミール・ノルデの水彩画は新しい発見だった。ある種の近代絵画を生理的に受け付けないみたいで、ノルデって、油絵のあるものは神経を逆なでされるような気がしてどうしても好きになれないのだけれど、今日見せてもらった水彩は、強い色を水を多く用いて滲ませて、具象的にたとえば風景のようなものを描いている。お上品な透明水彩の薄塗りではなく、小学生の使うような、下に塗られた色がある程度隠れてしまうような絵の具で、イメージのコントラストが新鮮なのに油彩ほど暴力的でないのが気に入った。もっと大きく見せてほしかった。世紀の変わり目あたり、私のすごく好きなものと耐えがたいものはかなり近いところにある。好みとしか言いようがない。
 帰って妹と少し話して、手羽先と白菜を和風にことこと煮てスープにして食べた。玄米ごはん、冷奴。ちょっと勉強しようと思って研究室に行ったけど、これは失敗。私はどんどん悪性ウイルスたる正体を明らかにしつつある。という気分になる。