はあ、六月は薄闇の中をうごうごしているうちに終わってしまった。こんないろいろさまざま考えてたことが後になって何かの役に立ったりするんだろうか。なんだか、果てしなくそんなことない気がする。
 三時半に鳥が鳴きはじめ、四時半には明るくなり始める。
 夏に締め切りというのは残酷なものだ。夜が鎮まるのが遅く朝が明けるのが早い。当り前のことなのに。
 五時、二度目にお腹がすいて、隣の研究室の電気もついている。
 これを普通だと思いたくないよねえ、と夜更かし組でいうけれど、今は非常時だということで、これが普通だと思いでもしなければ情けなくってやってらんないもの。
 最近、一年ぶりにクレルモンで映画友達だったボッティチェリ顏のポロネーズとメールしてて、思えば不思議。私が虚空にほうった言葉をなぜか拾ったのが彼女で、お互い自分のものではないことばでなんかひたすらガールトークを書き散らしている。外国語にすると問題と思っていることは心外なほどにシンプルだったりして。