自分には珍しい、積極的な選択というものをして戸惑っている。
 いつもなら、新しい道が見えたら上手くいくかとりあえずやってみよう、といって、何となくある程度受け入れられて、そのまま軌道に乗るまでは楽しくて続けてしまう。結果、留学といい京都まで来たことといい残ってることといい、まるでずいぶんと大きな決断をしてきた人みたいになってるけど、その実「新しい選択肢に飛びつく」という惰性に流され続けてきたに過ぎない。
 それで、今回心を入れ替えたのかというと、決してそんなわけではなく、また予想もしないオプションが現れて可能性が広がる瞬間がくる機会の多そうな方を選んだというのが近い。きっとその度にどうにかなりそうなぐらい悩むに違いないし、そもそもそのいつかわからない瞬間まで倦み苦しむのは目に見えているのだけど。(どうにもならなくなって飛び込むなら瀬戸内海よりは地中海、といったらなんでか後輩に好評。)
 我儘と言えば我儘、欲張りといえば欲張り、結局まだ遊んでいたいだけなんでしょうと言われたらハイと答えるしかない。ただ、あなたが考えている以上に私は我儘で欲張りで、あなたが想像も付かない仕方で遊んでやりたいのだと思う。