情けない話だが「久々に」、今日は夕食を自炊した。
 わけもなく猛烈に食べたかった白菜のお浸し(おかかをたくさんかける)と、豚バラと小松菜の炒め物、ご飯、簡単な味噌汁。久々ついでで、食彩浪漫バックナンバーなどひっぱって、豚バラには最初に塩を振っておくのねーなどとお勉強をしたりして。白菜は茹であがったのをお醤油とめんつゆを水で薄めたものに浸しておいて、少しぬるくなったところで、いただきます。
 ところで、この「ぬるい」っていうのが、高校ぐらいまで私はかなり苦手だった。料理は熱いのか冷たいの、飲み物も同様で、例外的に自分の目の前で冷えてゆくのは許せるのだけど(猫舌なもので…;わがままですみません)、すでにぬるくなったペットボトルのお茶などを頂くと、感謝しつつどこかで不信感も拭えなかったような気がする。
 それが、なんともなくなったのは、大学に入って一人暮らしとか茶道部の合宿とかいうのっぴきならない事態に直面したのもあるけど、並行して、すこーし、その温度帯ならではの美味しさみたいなのんが分かってきたのかもしれない。
 留学中、気晴らしに隣町に遊びに出たとき、カフェで「丁度よい温度のスモークサーモンの厚切り」ののったサラダというのを食べたが、これは何らかの方法で、ちょっと温めたスモークサーモンで、大層クリーミーで美味しかった。先日出町柳付近の小料理屋さんで出たお造りにはちょっと焙ったサンマのお刺身が乗っていて、脂がほんのり溶けているのがよかった。一皮むけて普通に飲めるようになった室温のお水は、時に身体に優しい気分になる。ぬるい・室温、っていうのは、やさしくって、クリーミーな感じなのだ。
 夏休み、さるエレーヌ・ダローズという二つ星のレストランで、最初に栗のロワイヤルという、海老などの入った栗ベースのクリームスープをいただいたのだけど、人肌くらいの温かさで供されたのが、一層その滑らかさとか栗の微妙な甘さをひきたてていました。思わず記憶にうっとりしてしまう。

 スープの写真は彩りがいまいちだったので、魚料理の。これがまた夢に出そうなくらい美味しかった。