この時期恒例の風邪。もう、金木犀美学会→風邪の黄金パターンはお手のものだ。今回は森見登美彦氏に範を得た妹の流儀に従いお風呂上がりにウィダーインゼリーのマルチビタミン、十分くらいかけてちゅるちゅる増粘多糖類を摂取しとります(本当に10秒で飲み干すのならこの形でなくてもいいような。普通の紙パックでは二百円は取れないからかしら)。
 恒例といえば、こちらも。
不滅 (集英社文庫)
去年の今頃は『無知』、今は『不滅』。いずれも読み返し。こういう読み方は、残念ながら全く正当でも格好よくも賢くもないのだろうけれど、ミランクンデラは、一言で言うなら「効く」。ひとは、どうしても間違ってはいけないところでだけ、笑っちゃうような馬鹿げた理由すらもなしに、間違うし、気にする方が悪いような些細なことに違和感をもち続けて勝手に自分の生を生きにくくして傷つく。本当に聞いてほしいことだけはどうしても上手く口に出せない。そういう女たち(たまに男も)の扱いが軽やかで突き放しててお洒落でありながら、徹底的に優しいのだと思う。こういう視線に、そばいてほしい。それで、たびたび再読したくなるのかなーなどと思うのだ。(ついでだけど、ちゃんとすごく面白い。『冗談』とかも)