雨がやんだと思ったらこんなに毎日暑いんではー!!多分に予想されたことはいえ、身体と頭のそれぞれ1/3が「暑い〜」に費やされているので非生産的なることアメーバの如し。こんなときは二週間くらい田舎に引っ込んで、分厚く軽い本を読んでは思い立ったように水出し紅茶でも淹れてグラスと氷の涼やかな音に鼻歌をハモらせて酔生夢死を決め込みたい。と、すぐにはそのようなわけにはいかないのだが、ぴったりの本みつけたーっ。

高慢と偏見とゾンビ ((二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション))

高慢と偏見とゾンビ ((二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション))

 笑っちゃうでしょう?開いてみたら最初の一文から笑いっぱなしです。いいのかこんなことしてー?でもこのすっとぼけに平和な緩慢さと屍人の闖入のバランス感覚は絶妙。オースティンの『高慢と偏見』を読んだ乙女ならぜひ。
 もっとも私ときたら、残念ながらゾラのL'Oeuvre(『制作』)の有志レポート挑戦のためにロマン主義の亡霊のような腐れ芸術家(お上品な表現じゃなくて失礼)ととっくみあって午後の陽光を台無しにしております。読むたびに暗い気持ちになって吹き荒ぶため息とともにこのクロード・ランティエなる男への不満をぶちまける私に、同志は涼しい顔で「でも小説なのにそこまで反感をもよおさせるっていうのも凄いことですよね」というのも至極もっともな話、なんでこれほどいらいらさせられるのか、というのは重要には違いない。