その後、エリザベスとダーシーは互いに素直になって婚約、その場でめでたく畑のカリフラワーを貪るゾンビ達を相手に初めての共同作業をしたのでした。読み切ってしまったという事実に愕然とするほど阿呆っぽい話だが、まあその阿呆っぽさは暑気払いにはあしからず。
 そういえば、映画『アデル―ファラオと復活の秘薬―』を観たが、思わず口元がにやりとしてしまうアクの強い類型的キャラクターは可愛く(始終パテを挟んだパンとかゆで卵とかを食べないと動けないカポネ警部!)徹底的に非現実的な展開、古典的な繰り返しと華やかな衣装や背景、とてもよいエンターテイメントだった!!原作はタンタンみたいな色つき漫画(BD(ベデ)という)シリーズらしいので、是非ぜひ続編も作っていただきたい。ルイーズ・ブルゴワンはとびきりお茶目で勇敢でセクシー。衣装も素晴らしい。後先考えず手段を選ばず目的達成に向けて突進するけれど、いちいち強く賢く、悲劇的な場面も湿っぽくならないところがとても都会的で洗練されている。このヒロイン自体に余裕があるだけでなく、作品全体に余裕が充ちていて、客観的にコメディとして突き放した姿勢はお洒落なことこの上ない。
 それで、リュック・ベッソンに興味がわいたので、昨夜は一人でお好み焼き食べながら『TAXI4』、と思ったけどニューヨークのやつ*1。美女がみえたので。実は相棒の阿呆刑事が阿呆過ぎて何度かPCの電源を切りそうになったが(悪役が美女じゃなければ切ってたわ)彼も最後はなんとか見るに耐える男になるし、ヒロインは強くてチャーミングだし、嘘っぽいのとそれっぽいののバランス感覚が素敵で、爽快だった。
 ところで、去年『パブリック・エネミー』で出てきたジョニーデップによる1920年代のNYの銀行の強盗の仕方と、このブラジル美脚美女四人組(ゴージャス!!)による最近のNYの銀行の強盗の仕方がとてもよく似てるなーと思ったんだけど(現代版はまず監視カメラを砕くというのが入るみたいだが)、あんまり20世紀の間銀行強盗のノウハウは進化しなかったんだろうか。そして銀行自体も似ている。やたら天井が高くて内装が威厳のある造りで、強盗の様子を俯瞰でとか下からカメラを走らせながら見せると、とても絵になるのだ。というわけで、いつか私がおニューヨークに参上した暁には、メトロポリタンの他に、銀行も是非行ってみたいものだと思う。

*1:しかも監督べつのひとだった