一昨日で夏時間が終わり、本日諸聖人祭を最後に秋休みも終了。本格的に冬に突入しようという中、ブログも更新せず、若者らしいパーティー的集いに参加することもせず、家の裏にいい感じに裏さびれた映画館(アクション専門の名画座!)を見つけたのに覗きもせず、私は何をやっておるのか。原稿を書いているのである。なんかこれもーほんっとーパリにいる意味なし!ってわけではなく調べ物が必要ならあっという間に飛んでいけるし作品も観にいけるし悪くもないんだけども、とにかく頭の中にちっちゃいスケールの(これはまた「緻密な議論を要する」とか言えばいくらか格好もつくんだけど)日本語表現がうずうずまいているのが鬱陶しい。
 そんな感じでもう鬱鬱としていたら、明け方森見登美彦さんが夢に出てきた。左岸なのか左京区なのか判然としないが、とても「コレクション」っぽい店の奥で私がお会計をしようとしていたら、レジの隣のテーブルに肘をついた和服の青年と目が合って、「あなたはこの辺りの方ですか」と声を掛けられた。全く都合のよい妄想というのにも程があるが、私がはあ、とか答えると、「付属図書館ですね。あのソファーはいい」とか大層優しい顔で意味不明なことをつぶやいておられる。その間に、レジのバイトの女の子が「あみさんもサイン貰ったら」というので、私はあわてて、「本持ってるんですけど実家と京都の家に置いてきてしまっていて」とか言い訳じみたことを言いながら、手帳と財布しかないので、手帳の十一月の最初の頁を開いてサインを頂いたのだった。後で手帳というのはやはり非常に失礼だったのでは、とか色々と後悔し、寝覚めが悪かったのだが、ちゃんと起きて見てみたら、サインはもちろんなかった。