ちなみに今朝は、オリエンタリズムを勉強するためトラ皮の敷物を購入したいと言い張って同居人を困らせている夢を見ました。
 純然たる研究目的で、地面しゃびしゃびの中をプティ・パレ『ジュゼッペ・デ・ニッチ』展および常設展へ。
 ニッチはイタリアの南の出身で、1868年に初めてパリに来て以来、普仏戦争中に故郷に戻ったりはするが1873年以降は結局ずっと住むことに。印象派仲間とすぐに親しくなり、とりわけカイユボットやドガと親交を結ぶ。

最初来た時は全然そんなつもりがなかったのに、フランス語もろくに分からないままリヨン駅に到着し、ありとあらゆる通りを歩きまわった末にマドレーヌ広場についた時には「もうここから動かないぞ!!」とフランスの画家になることを宣言したらしい。
 作品は温かみがあって、ポスターになっている着物着た女性みたいな、ジャポニズムが自然に優雅に取り入れられていたり、社交界の女性の首筋から肩は、ドガほど筋肉っぽい迫力はなくて程良く優美に巧く描いている。かというと、情緒の欠片もなく正確で不気味なヴェスビオ火山を何枚も描いていたり、あ、なんかカイユボットぽい、なカメラアングルでロンドンの名所絵連作を描いていたり、なかなか面白かった。
 あと、ここだけの話ですが、シャンゼリゼ観光中にトイレに行きたくなったら、プティパレのトイレは超お勧めです。荷物検査だけで入れるし、比較的すいていて、何より非常に綺麗。トイレットペーパーは無尽蔵、消耗品は気持よく整理され、蛇口からはなんとお湯、お手拭きはティッシュがピカピカしたとこから出てきます。しばしば意地悪な店員のいるカフェに入って五ユーロもするココアを飲んでもこんなトイレにはおそらく出会えないので、そこいらの高級ホテルに「もちろん宿泊客ですが何か?」顔で入れる装備をしていない人は選択肢に入れてもいいかも。そして折角だから無料で見られる常設展でクールベとか観ましょう。今は報道写真の特設展やってて、これも非常に見ごたえありました。