クリスマス前なもんだから、ここ2〜3週間というもの、あは〜んというかうふ〜んというかな香水のCMが色々流れてて非常に勉強になります。見出しはジヴァンシー(ジバンシイ?)のAnge ou Démonだったはず。今のところ技術的に匂いのしないテレビやポスターで香水を宣伝するのには本当にイメージが重要、というのは理解できるが、しばしばイメージが美しすぎて実際の香りを聞いてみるとがっかりしたり、自分の嗅覚や趣味に自信が持てなくなったりしないでもない。私の視覚と嗅覚の結びつきかたが、製作者の思惑と違っているということかしら。
 そういえば、逆に論文で、こちらの先生は画像は高いお金を払っていいのを用意する必要はない、白黒で十分、あなたの仕事は文章部分なのだから、と何度か言われたんだけど、これは考えてみると、「こんな画像じゃ見えにくくて分からないじゃないか!」が常識の日本では、視覚情報によって共感できるとされている部分がより大きいのに対し、フランスでは、最終的に私たちが感覚を共有するのに誤差のもっとも少ないツールとして文章の役割がもっと決定的ってことかな。と少し思った。そしてすぐに、日本ヴァージョンの落ちは「私の悪文(特に上記のような)では最低限の情報すら伝わらないのに、それが正しいか判断しようにも図版さえよく見えないのではお話にならない」かもしれないな。と思いいたりました。
 反省。
 それにしても伝えるのは難しい。何を使っても、誰に向かっても難しい。しかも、にもかかわらず伝えたいと思い続けなければ、私たちには絶望することさえ許されない。