今日はプチ・パレの美術館の資料室で調べ物をさせてもらった。さすがに写真を撮ることは出来なかったけど、学芸員さんなどなど裏方(というか中枢)が働いている場所が、温かみのある色調の白壁に天井から自然光が入り、吹き抜けになっているのに暖かくモダンで、一人ひとりのスペースは広く取ってあって開放感があり、ところどころ版画とかがかかっていてとても素敵だった。あんなところで働きたい!!加えて図書室兼資料室は、同じような白壁だと味気なくなるだろうところを、ちゃんと板張りの床に、木の本棚が並び、慎ましやかながら天井には装飾画も描かれていて落ち着く。担当してくれた人も非常に感じが良かった。
 思ったより早く用事がすんだので、夕方またテレラマのお祭りの続きで、Jane Campion監督、Bright Star。アンヴァリッド近くの高級地区のラ・パゴードという一部屋の映画館で、マダムに囲まれてみる。擬中華な華やかな内装とか、椅子とスクリーンの角度とかが独特で、だれか連れてまた来たいな。作品は、なんか、詩人ジョン・キーツの愛の物語なんだけど私あんまり好きなタイプではなく、ロマンチックなものだとしてもあまりに際限なくロマンチックで、女性の願望充足的な純愛で昼間っからマダムがハンケチ片手に愛でてるんは、まあよろしいから勝手にやってなさい、と言いたい気分である。
 だが、悲しいかな!ジョン・キーツ役があまりにも私の好みど真ん中であり、それがイギリスのいい感じにほったらかした草花の原っぱにねっ転がってたりするもんだから、不本意にもどっぷりつかってハンケチ濡らしながらみてしまいました。ああ不覚。それに、詩って声に出して読まれると何ほどかのものです。侮れぬ。
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 さてさて一方、日曜は日帰りでリヨンへ。朝早くいって美術館だけみるという、モンペリエに続いての地方回り企画。靄のかかったような素敵な「地方」感は、地下鉄の切符を買うときのもたもた具合や、その地下鉄の車両のだだっ広さから始まる。旭川エスカレーターで当然のように人々が二列で止まってるのを見て妙に嬉しくなるような感じで。

 そして、寒い。これぞ内陸の寒さ。広場に人がほとんどいない。物音がしない。本当の寒さは人を黙らせる、というか、音を沈黙させる。

 フランスのベルニーニ、といったらあちこちから反対意見がくるかしら?マンハッタンとパリの『自由の女神』を作ったバートルディによる市庁舎前広場の彫刻。暖かい時には鼻の穴から蒸気が出る趣向だった気がするが、今度ばかり凍ってつららが猛烈に生えている。

 美術館は想像通りの充実具合で、一日楽しめました。案の定昼ご飯を食べそびれてしまったけど。

 夜になると三脚を構えた人々が。

 つららの生えた馬を撮りに来てるのかしら。なんかの宿題??



 それにしても寒いこと、何枚か写真を撮っただけなのに指から手まで凍りそう。そしてすっかり風邪ひきかけてるかもしれない。豆のシチューが効くとよいのだけれど。