たまにはこんなのもいかが??

 エッフェル塔は、大統領官邸と軍の士官学校みたいなのんがある間にそびえています。ここまであからさまだと「なんか高いものを建てて威張りたい!!」ってのも案外可愛いのではないかと思ってしまう。なんといっても前前世紀のものだから、一丁前に気品もある。ちなみに士官学校を通り過ぎると病院に着く。なんてことを考えてて、常磐線の中で私が妹に初めてスカイツリーの存在を聞いたときに(そしてそれはそう昔のことではない)「何!高い建物建てたいの??」「いまは21世紀なのよ!」とか「テロと地震に競争させてみたいの?」みたいな完全に小馬鹿にする発言をしかかったら注意されてしまったことを思い出した。嵐の写真写りについて軽々しい発言をしてはいけないのと同様、東京では色々言ってはいけないことがあるみたい。
 さてさて、昨日は朝ロダン美術館で『ヘンリー・ムーアのアトリエ』特別展、展示は少ないながらもまとまっていて十分楽しめた。彫刻家のデッサンって面白い。目的がいくつかにはっきりわかれていて、画家だったらつい付けてしまう自分印みたいな「いろ」が控えめで、そして、かなり上手いことが多い。ムーアのそれも、有名な防空壕の中の情景の他、ブレインストーミング風にモチーフをいくつも細かく変化をつけて並べて描いていたり、割合を変えてみたり、彫刻が実際に置かれる建物の内装とのバランスや、作品の周りに出来る影をシュミレーションしているものなどもあった。アトリエの再現コーナーには、たくさんの習作や模型のような小型の石膏像が並ぶ中、貝殻や動物の頭蓋骨が収集してあったのが興味深い。彼の彫刻は、人体を出発点にしつつどんどん抽象的に溶けて行っているようにみえるけど、風や波、年月に洗われた後に残る自然の形に向かっていたのかなーと思ったり。
 それで、リヨン寒すぎで喉が痛いので帰ってきて昼寝で一日を終えたのでした。しかしながら昼寝を決意して実家に電話したところ、最初に風邪をひきかけている旨を宣言したにもかかわらず、若干22分の間に三度ほど「でも元気そうでよかった」的なお言葉を賜って、こりゃなんなんだ。一時期に比べたら身体の多少の不調はものともしないくらいにポジティヴな気分なのには違いないけれど。そこまで「元気そう」と大盤振る舞いされて尚ずる休みするほど実際風邪気分でもないから、今日は朝から出勤したさ。