風邪がちゃんと治りきらないーというか花粉症っぽいのかな。おそらくマロニエと思われる木の種子がふわふわ綿毛みたいに浮いてて、もう見るからに絶賛アレルゲンな感じ。しかも自転車は車道走るから川沿いとか交通量の多いところは結構排気ガスも濃い。本当はマスクしたいくらいなんだけど、こちらの人にとって、あれは相当気味悪いらしい。今じゃ冗談にするにも気が引けるけど、三年前だって「東京は大気汚染が大変だからマスクしてるんでしょ」みたいなこと言う善意の方々はたくさんおったものです。
 そういえば月曜辺りから、女性のイスラム教徒の厳格なタイプのベールの公共の場での着用が禁止されているそうだ。その日の朝読んだフリー地下鉄新聞の情報と記憶に基づいて出来るだけ正確に言うと、スカーフとかベールとか、チャドルとかは平気なんだけど、顔全体を覆ってメッシュからすかして見るタイプの「ブルカ」と、目だけ出すタイプの「ニカブ」は罰金刑になるそう。もっともカーニバルの仮装などはこの限りにはあらず。ちなみに、パリでよく見るのは黒かカラーのスカーフが多く、耳を見せるか見せないかとか違いはあるけど、ブルカやニカブは今までもみたことがない。
Muslim Veils -- from Hijab to Burqa | Apologetics IndexVoiles & foulards Islamiques
 私の理解では「フランスにいるならフランス語を話しなさいね」に似た、「信仰は個人の問題だけど公共の場所では顔はみせましょうね」という感じで、宗教とか女性の地位とか云々というデリケートな問題をある程度割り切った「みんなのルール」としてはとてもフランス的で納得しやすいと思う。顔が見えないと不安だし、宗教裁判とか死刑執行人とか黒魔術とかにもトラウマあるかもしれん。
 逆に、あまり論理的なつながりはないけど、この街は見せる方には果てしなく寛大である。と、なんだかんだいって私が文化を語りだすとランジェリー問題になるのである。
 温かくなると一気に涼しそうな格好になる図書館のごく普通の女の子たち。どうやらこっちは、薄物の下で黒いブラががっつり透けるのは全然問題ではないらしい。むしろ重ね色目か。肩ひもがちょいと見えるのもご愛嬌だ。カフェオレみたいな色だったりするとちょっとあれだけど。もうめんどいからしない!という人もしばしばみるけど、特に周りの人間は気にしてないらしい。ただ私キャミソールの背中の部分から、ブラの背中の横線ががばっと出てる人が本棚に手を伸ばしてたりしてるのはどうかと思う。別に皆気にしてないんだけどそれもどうかと思う。結構ちゃんと補正してますって感じで、色調も裏方だし金具止めるところが三列になっちゃってるのまではっきり見えるのよ。秘すれば花文化育ちで(皆のルールという点から言うと、私の高校は私服だったけど、男子の半ズボンは禁止であった。理由は説明はなかったけどだいたい「見苦しいから」と理解されてた。)中学校の体育の時間の白いTシャツとかかなり嫌だった経験がある人ならきっと、ブラジャーをがばっと出した窃盗団とかを結成して巴里の街を震撼させて公共の場でのブラジャーの露出に対する恐怖心をトラウマレベルにまで植えつける必要性をひしひしと感じているに違いない!と思うんだけど。