大学の友達のところでご飯をご馳走になった。彼女がマッシュポテトによるニョッキのクラムチャウダー風を、彼女の友達が本場の魚タジンを作ってくれた!

 タジン鍋買おうかなーもう、これは野菜の味がとても凝縮されて参りましたって感じ。ニョッキは、食感が楽しいのでいくらでも食べられそうなのだった。
 その後はナイトミュージアムの日なので街に繰り出した。19時以降深夜まで美術館を無料開放し、様々な催しが行われます。無料ってのは、第一日曜日も同じだけど、大きいところほど混むし、下手をすると行列で何十分も一時間も待たされた挙句に入っても人しか見えないということになりかねない。大きい展覧会は予約料余計に払ったってゆっくり見れた方がいい。
 というわけで、今日はちょっと小さくて雰囲気の良いところとしてユダヤ歴史美術館の『シャガールの聖書』展。しかしここでもかなりの人!マレの端っこにある建物の広い中庭を抜けると、左が近代的な内装の特別展スペース、右はユダヤ教の風俗や歴史を紹介する常設展。どちらも非常に見ごたえがあるし、建物も楽しい。今日はユダヤ教の伝統的な音楽を紹介するガイドツアーもやってた。話が長いんで断念してしまったけど。
 シャガールの聖書展は、1930年に着手され1956年に出版されたエッチングとドライポイントによる版画に彩色を施した聖書の挿絵105点が完全版で聖書の抜粋とともに展示されている他、準備段階で描かれたグァッシュもかなりの点数がある。グァッシュの色彩が、シャガールのイメージ(綺麗色&可愛いモチーフ&ぼんやりした不安…てすみません、本職が阿呆なこといって…)と違う、かなり暗いものが多いのが新鮮だった。上階には聖書やユダヤ教とつながりの深い油彩の大作が展示されている。中には隣の常設展示にあったユダヤ教のトーラーや儀礼に使われる金属器が描かれていたのが分かる。
 聖書の制作中に二次大戦を経験したシャガールは、キリストを、ユダヤ人の犠牲者の一人としか思えないっていうのよ。光が溢れてくるような色使いのものもあれば、ぼんやりした不安でない、業といってもいい明らかな苦悩の塗り込められた作品群もあり、手法としては保守的であるにせよ力のある絵画だと思う。チューリヒで観たステンドグラスの下絵に再会することも出来た。6月5日までで、水曜は普段も九時までやってるので、夜に是非…夜のマレは控え目な街灯がロマンチックよ。