とてつもなく天気の良い日。朝から喉が痛かったため、第一日曜も映画祭もサボって家で融解しそうにのんびり。夕方にアジア人な集いでお好み焼きを食べさせてもらうという暴挙に及び、幾分回復した感じ。次はこんむるちゅるちゅっぽいが、知るもんか、もう寝よー。

 高いところ大好き。ちゃんと呼吸ができる。歌を歌いたくなる。飛べそうな気分になる。

 昨日は、映画祭の最初の週末だったので、夜通しレアルで日活ロマンポルノか女吸血鬼かフィリピンかアステカ帝国のミイラものかの耐久上映が観られるという仕組み。普段見ないの観るのにもいい機会かなーとか迷いつつも、取りあえず家の近くのゴダールゆかりらしい小さな劇場で『ミュンヘン』観ました。五年くらい前の、スピルバーグの。映画自体久しぶりだったのでがっつりスペクタクルが観たかったのが、正解。かなりお腹いっぱいになった。その後は、のども痛いし、街の雰囲気も浮ついてるし(まあ浮ついてるといっても安全ですけど、ナイトショーでエログロ観たうえに変なのに絡まれるとか嫌やし)、これみたら他のさらに観たら頭一杯になりそう、とか思って結局帰った。
 なんか物凄い政治的・道徳的にメッセージ性が強く、寓話すれすれみたいだけど、ヨーロッパの街角とか室内とかがとてもいい感じで、背景の天気とか色の感じとかとオハナシの並行関係が説得力がある感じで構成されてて、映画使ってなんか一つの出来事を伝えようという点で、とても完成度の高い作品だとおもった。何度もミッションのメンバーの食事場面が出てきて、それが毎度毎度素敵な食卓でご馳走なのだけど、確実に、出てくるごとに(というのは、標的を殺す一方で相手サイドからの報復も始まり、そもそものイスラエルからの疎外感や身の危険を感じ始めるのが強まるほどに)確実に美味しくなくなってくる感じがリアルだった。とりわけ後半に差し掛かって、当番と思われるアフナーが、半分自棄になって残った二人三人のメンバーには到底食べきれない大ご馳走を作るためにズッキーニや人参を切り刻む場面は怖かった。合わせて、主人公アフナーを演じるエリック・バナクールベ・タイプの広い額や顎がなかなかに素敵で、それがだんだん憔悴していくのには凄味があった。ダニエル・クレイグはなんか出てきたときから狂気じみてたが。ただし、まだミュンヘンの事件の人たちが殺されるところの映像は出てきてないな、と思って観てたら、最後のあの出し方は酷い。ありがちな趣味悪さだ。