一週間ぶりの更新だが、予告通りアール・ヌーヴォー行き倒れツアーを敢行すると期待してはやはり甘いのである。写真を載せつつも全く関係のない近況を書くから覚悟!

 パリは昨日あたりから寒さが本格化した。今日は水曜なので、朝から部屋に掃除機をかけ、午前中は近場で洗濯する。ところで村上春樹内田樹あたりの軸では「パスタ本」なる言葉を作って、「ワイン片手に夕暮れのベランダで、パスタを茹でているあいまに」1Q84 読書中 - 内田樹の研究室お気に入りの本をちびちび読んだりするらしいのだが、私のような若輩者にはパスタを茹でるのは戦いであり本を読むのもまた然り、パスタを茹でる間に本を読めた試しがない(ワインはどちらとでもいける)。

何でこんな話を持ってきたのかというと、コインランドリーで洗濯を待つ間はどうにも本が必要なので、「洗濯本」を認定しようというわけ*1。辞書を使わなくても語彙が推測可能あるいはわからないのを覚えておける程度の易しさで、集中できるけど終わってから続きが読みたくて勉強できないほどではなく、かつ洗濯が楽しみになるような短編集がよかろう、ってんで、Daniel ArasseのHistoire de la Peintureを認定。講演録なので読みやすいし、専門的な話ではないけど絵を観るときに楽しくなるような話が詰まっているのでお薦め。姉妹編といえるOn n'y voit rienも楽しい。

と、ここまで書いておいてなんだけど、今日はどうしても続きの読みたい日本語の本があったからそれを読んでいた。近隣のマダムに「中国語ってどの方向に読むの?」と尋ねられ、なんか文京区独特のこの好奇心は何なんだろーと思いつつ、これは日本語であること、縦書きは右から読むが横書きの本もあること、若者の読む漫画はフランス語訳でも日本風に右から開くタイプが多いことなど話す。


12時半からエコール・デュ・ルーヴルで19世紀の服飾の授業を聴講しているので、カルーセルへ急ぎ(今日は革命期の男性のユニフォーム!)、それが終わるとサントノレ通り沿いの最近お気に入りのパン屋でサンドイッチを買いつつチャリで13区にある国立図書館へ。

 その途中で、身体が温まるくらいに漕ぐとコートの中にまで冷気が入り込むことに気づいて、そろそろ自転車通学は限界かと思いいたる。耳も冷たいし。スピードを出さなければ寒いのにスピードを出せば出すほど寒い。この状態に至るのは、湿度と風にもよるが大体+1〜3度くらいで、京都ではなかなかここまでにならない。

 案の定、図書館について暖かい部屋でサンドイッチとココアを頂いた直後に急激な眠気が…。そろそろ無理しないでバスをつかいます。長いコートも登場させよう。夕方は靄が下りて街灯の明りがぼんやりと広がり、まったく人の気も知らずにロマンチックなもんである。

*1:勘の良い読者の方はそろそろお気づきでしょうが、くだらないことを長々と書きだすのはもちろん、発表が一ヶ月後に迫っているからである。すみませんが、これからしばらくはこんなのにお付き合いくださいませ。