前にみたんだけど、なんとなく張り付けてみる。動画の下はかなりネタばれになるかも!ヒューゴ・カブレの不思議な発明です。なんで今頃かというと、今日一度気分が沈んだので家の近くの映画館の予定をチェックしていたらまだ上映されているのを発見したので。結局今日はその後持ち直して映画は無しで過ごしてるのだが、パリにいらっしゃる方で観てない人は是非五区のGrand Actionのアクション用湾曲大画面で3Dで観るのがおすすめだ。あと、実際に観て気に入った人で11番線Arts et Metiersの駅を見たことが無い人は是非足をお運びください。きっとわくわくするから!

 この映画の良かったところを完全に独断暴走気味に挙げると、まずは、パリの街、駅の構内、時計や自動人形の内部のメカニックでガテンな描写。ジュード・ロウのこめかみに細い金属縁の眼鏡の「つる」がきゅっと食いこんでいるところ。あと、相棒の女の子がしばらくてんで女の子に見えてこないこと。小学校中高学年くらいの、クラスで一番背が高くて頭の回転も速く男子などまとめて小馬鹿にしてかかってそうな生意気な子として非常にリアリティがある。それから何より、映画への愛にあふれているのだけど、それが、「このあたりからこの辺りはまあ押さえておかないと」みたいな知識とかお洒落っぽい蘊蓄ではなく、純粋に、あり得ないことを現実にしてしまう魔法であり、人をあっと驚かせるスペクタクルである映画への愛であって、このメッセージが物語の形で伝えられるだけでなく、この作品の形式からも伝わるところがよい。結局、現代の3Dの技術の粋を尽くして(といっておく、タンタンとかほどじゃないとおもうけど)難しいこと抜きで楽しめる子供向き冒険物語なのだ。寒々しく雪の降るパリの街もよいし、一次大戦の爪痕の残る中で忙しく行き来する駅の人々もなんだか愛情をこめて描かれている。
 それにしても、パリという街は、住んでてなお映画で観ても素敵なのだから妬ける。