第三の男 [DVD]キャロル・リードの『第三の男』をなんとなく観た。ずっと前から何故か観なければと思っていた理由を、思い出した。引用されまくってほぼ一人歩きしている有名な台詞だ。

ボルジアの治世には毒薬が蔓延り、陰謀と暗殺が渦巻いていた。だが、芸術が花開いたのもその時代だった。スイスは愛の国だ。だが、幾百年の平和がもたらしたものは何だ?鳩時計がせいぜいだよ。

全く正確でないが、引用されまくっているから問題はないだろう(またまた・・)。オーソン・ウェルズ扮する彼が観覧車の中で、友達を悪の道に引き入れようとするシーンで発せられている。半ば廃墟のウィーンを見下ろす観覧車に男二人。バランスの捩れた顔から「ックックックルック」と囀るような音が嘲るように響いて相当不気味である。淀川長治(実は密かに好きなので飛ばさずに拝聴する)の「まくら」では、映画の教科書です、だってよ。
 多分、本ではないけれどこのカテゴリに入れとく。整理されたものは落ち着くけど綺麗に収まりすぎてるのは気持ちが悪い。いざとなれば簡単に整理整頓できる場所だから、今はささやかに抵抗することにする。