デイヴィド・リーンの『アラビアのロレンス』。アラビアのロレンス 完全版 [DVD]どこにも時間が書いてないので怪しいと思ったら、おいおいどこまで長いんだか。演習までに見終えられなくて宙吊り。どの道、一度ではとても消化できていないので、また思いっきり寒い日にでも時間をつくって、灼熱地獄のなか、一筋縄でいかない彼を再発見しよう。ターコイズの空と砂の地面、映像は壮大である。人間は陽炎の向こうの影に過ぎないようで、かと思うと、金の陽を背に浴びて神に見えたりもする。夢の世界であるはずの砂漠が私の現実から色を奪う。光は奇妙に屈折している。日の出、ああ、撮影の間この人たちは何度この光景を目にしたんだろう。羨ましい。音楽は吹奏楽なんかやってた人間は何回も聴かされたものだが、やっぱり素晴らしい。とにかく、途中までみただけでも、けちけちしない、これでもかと拡げられた完璧な別世界であった。
 いつか砂漠を見たいと思っている。かなり本気でそう思っているので、留学した時にでもその後でもきっと行くけれど、あれを見た後には、実際の砂漠を見るのがこわくなるな、あれほど綺麗でなかったら失望してしまいそうで。
 女たちよ! (新潮文庫)伊丹十三の『女たちよ!』にちょこっとピーター・オトゥールと、彼がロレンス役をやったときのエピソードについて載っていた。ちなみに私は、市販のドレッシングを使わず、かなり忠実にこの本に従っていちいち手作りする。