雨から逃げて書庫の中を散歩する。レポートのネタを探そうという魂胆である。OPACは便利だが書棚とにらめっこする方が愉しいし、コレクションの表情が伺え、ちゃんと実態のあるものを相手にしている気分になれる。実際、美学美術史と仏文については、どこを探せばどういうものがあるかは押さえた。地下鉄ばかり使っているといつまでも始めて歩く街のようにしっくりこないのに対し、歩いたり自転車に乗るとなんだかすっきり自分の場所になるのと似ている。(バスなど地上交通機関はその中間)。電子辞書と紙の辞書の関係も同様かもしれない。だったら勿体無い事をしているなァ。
 クリムトついでに世紀末で一発打とうかと色気を出してみるが、カタログはじめ文献のドイツ語率の高いのに閉口する。約一ヵ月後締め切りまでに4本、でもその間ばっちり遊ぶし映画制作にも参加するから変に手を拡げないほうが賢かろう。