思えば節分は、冬が終わって春になるお祭り。ヨーロッパでは魔女がこれを最後と暴れまわって、最後に「春の乙女」とかいう金髪の美少女に追い払われてしまったり火刑にされたりするのだ。
 我々は、過ぎ行く闇を讃えるべく、吉田山中腹に集まって宣誓を行った。北海道を除く全国八百万の神々が証人である。まずは平和な腹ごしらえだ。そして再び吉田山23時の人の海に漕ぎ出し、天を焦がす焚き火に目を焼く。熱い。そして秘儀が行われた。魔女の主導のもと、「きたないはきれい」「不味いは旨い」と闇にアイテムを投入し、闇の力で前代未聞の美味を追求するのだ。指、羽根、海月、麹、目玉、亀、柿の種、熱帯果実、麺、凝固乳、鰭、胡麻、餅、千切り・・・。宣誓は守られ、会は平和裏に進行した。食べ物は少しも粗末に扱われることはなかった。金髪の美少女に成敗されることもなかった。思いもよらない成功に味をしめた闇の会は、第二回で路上に進出するかもしれない。