初めての河内長野。今日は、日本美術の見学会に同乗して、観心寺の本尊如意輪観音像を観て来た。二日間だけの秘仏公開とあって、のどかな山里も俄かに全国から集まった参拝者で賑わいを見せていた。などということはなく、あくまで長閑でした。如意輪観音は、遠くて顔はあまり見えなかったが、六本の細長い腕と腰回りの曲線が美しく、木がきゅっと締まったようなバランスのよい輪郭をしていた。組んだ脚とわずかに傾いた首が色っぽい。お坊さんに説明をしていただく。お話も上手で、最後には、合掌して願い事をしていいという。
 ・・願い事はだめ、感謝だけ、って少し勉強された方は仰いますけどね、世の中そんな上手いこと行かないもんです。言わなきゃ分からないことが多い。だから、願い事はちゃんとしてもらって結構です。ただ、その通りにならなきゃ嫌だ、って喚かれては甘いものを欲しがる子供とおんなじ、きっとお腹を壊すか虫歯になるか。観音様やご先祖様はこの道のプロです。その通りにするより、もっといいようにして下さいます。だから、願い事はしても、後のことはいらいらやきもきせず、プロに任せて。それで楽になります。全て御任せしますからお願いします、っていうのが「南無」なんです。
 だそうな。なーるほどね。