中ノ島、ベルギー王立美術館展(http://www.yomiuri.co.jp/osaka-event/royal/)へ。

 もっとずっと色鮮やかで、特に空と海は碧色がとても美しい。墜落。かなり近くから見ることが出来た。飛び散った羽根。どこか不安を誘う、草むらに転がる頭。点数は結構あり、ルネサンスから近代までという道筋の中には、なんだかねえ・・というのも多かったが、西洋美術を学ぶ先輩後輩と連れ立って議論をしながら見ていると、それもまた楽しかった。聖ベネディクトスの物語に主題を得て描かれたルーベンスの未完成作と、ドラクロワによるその模写を並べて見ることが出来たのも収穫だった。
 ただ東京の時には出ていたという素描が見られなかったのが残念。
 さて、図々しくも、中村先生の講演を聴くのが今回の目的だった。敵地にいて媚びることを知らない毒舌の冴えは清清しいばかり。会場からは度々笑いがおこり、内容は前期の講義のダイジェスト版だが、また違った趣で楽しめた。

 昨日、ロータリーの語学テストで玉砕し、深く落ち込んだと一言にしては勿体無いような酷い有様だったが、自分の適性の有無とか将来の見通しのなさとかいう抽象的で暗いことどもに引きずられそうな時、目の前に存在している絵の力は、半端な慰めとか不十分な反省なんかよりずっと、強い。負けてたまるか。