Nicole Kidman主演の『FUR』(Steven Shainberg監督)。 周知の通りかはわからないけど、私は抜け落ちた髪の毛が怖い。覚悟してないときに見ると寒気とか吐き気とかする。すこしさび付いた水道管とか。そこを、この映像、執拗に突いてくる。知らない、おぞましい、目を背けたいものなんだけど、だからこそ、興味を惹かれる、見たい、触りたい感じ。感覚を閉じず、神経を鋭敏にしたままで。ああ鳥肌が全身を撫でていく。
 迂闊に共感するのはどうかと思うけど結構ツボでありました。怖いもの見たさは万人共通だろうけど、そのバランスは色々で、ましてや気持ち悪さ自体のなかにある抗いがたい魅力となると難しいわね。バタイユの『眼球譚』はちょっと無理だった。そういう感覚があるんだろうな、と想像はできるのだけど。この比較も根拠も意味もないけど。日本語のDVDがアマゾンにあるけど邦題が身も蓋もなくてがっかりなので載せません。