遅ればせながらですが、あけましておめでとうございます。
 年末年始は結局一週間ちょっとパリにおりました。クールベジャコメッティアルチンボルドともう少しでおわっちゃう大きな回顧展を三つしっかり観られた上に、ヴェルサイユ探検、クリスマスシーズンのデパート街やシャンゼリゼ大通りのデコレーション、シテの学食の鳥もも、大晦日シャンパン、元旦の深夜のサンミシェル広場の大騒ぎに無料メトロまで体験した実り多いヴァカンス。

 いろいろ楽しいことは追ってお伝えするけど、最も印象深かったことの一つは、初めて左岸にしっかり進出したことである。いやあ、日本人の愛してやまないお洒落なパリはここにあったのね!
 というのも、初めてのパリはバスティーユとリヨン駅の間で、留学の間今までちょこちょこ滞在したときも、何かと右岸(地図を見てください、への字にセーヌ河があるでしょう、その上が右岸というやつです。)に縁があった。今回も初めは20区の端っこのユース。成り行きで、お気に入りの散歩コースはバスティーユからマレの胡散臭げなのかお洒落なのか微妙なラインの雑貨屋さんとかギャラリー、エスニック気味なお洋服屋さんの並ぶあたり、期待を裏切らず楽しませてくれる二大アミューズメント、ルーヴルにポンピドゥーもすぐそばだ(しかもあんなに混んでるのにどこかで必ず独りになれる)。この辺をうろつくのはまあ、大好きで、従って、パリには地方で見るような普通のフランス人っぽい顔をした人間達というのはほとんどいないもんなんだなと思っていた。(勿論シャンゼリゼの裏っ側とかに信じられないくらいのお金持ちがごろごろいるらしいことは知ってるけど、普通、とはいいにくいな。)
 今回途中から知人の好意に甘えて滞在したのは14区のドンフォール・ロシュローという、カルチェラタンのもう少し下に行った辺り。その周辺からサンジェルマンの方向をよく散歩していると、比較的裕福な一般市民の住む地域らしく、フランスの都会と聞いて単純に思い浮かべるような、人々がマルシェでカキとかチーズを買い求める風景が広がっていた。少し足を伸ばすといい感じに古い映画館とか、美術書古書専門店とか、インテリアのオーダーメイドの店なんかのあるお洒落な通りに出てしまう。
 本当に地区によって表情が全く違うものなんだなーと楽しませてもらった。どっちが好きかというと難しいけど、深夜回っても安心して歩いてられるというのは素晴らしかった*1

 長くなってしまったが、今年の目標のうちのあるものを公言しておく。
ヨーロッパ人のいいところを吸収して盗み取る。(いろいろあるけど、大きなのは、人生を楽しむことに贅沢になり、そのための代価を支払えるように打算をためらわず努力を惜しまないこと、と今のとこ私は思う。)あと、面白いことがあったらその面白さを上手いこと自分の力で人に伝えて共有できるようになること。

*1:移民と観光客が多いから危険、とは言いたくないけど(私だって似たようなものだ)単純に、空気のぴりぴりした感じがない